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「さ、さよなら!?」
「そう。もうさよなら。」
日比谷はそう言い僕の頭を撫でた後、
去っていこうとした。
「待って待って!
お願いこれだけ!
これだけ外してぇ!」
日比谷は無視した。
無視して無言で歩き続けた……。
「ふざけんなよ!この僕がこんなにお願いしてんだろ!?」
それでも日比谷は無視。
「ふざけんなよこのブス!とっとと外せって言ってんのがわかんねーのかよ!?」
日比谷は……
やっぱり、止まってはくれなかった。
「いい加減にしろよ!?お前はただの奴隷なんだよ!!何勘違いしてんだかしらないけど利用されてたのはお前の方なんだよ!僕が相武を動かすために利用してただけなんだよ!だから奴隷は奴隷らしく僕の言うこと聞いてればいんだよ、早く外せ!!」
僕はじたばた暴れるも、激痛によってそれすら妨げられた。
……ガチャン。
扉は閉められ、日比谷はいなくなった。
「……ハァ、ハァ……ふ、ふざけんなよ……誰か……早く僕を助けろよ!?何やってんだよ~!?」
助けを求めてるのに、
虚しく室内に響くだけだった。
……腹立つ。
ゴミはゴミなりに、
機敏に行動しろって言うだろ!?
みんな何やってんだ?
この僕がこんなことになって、
許されると思ってんのかよ……?
……。
…………。
なんで呼んでも呼んでも誰も助けに来ないの……?
みんな僕の家来なんじゃないの……?
「誰か……お願い。
助けて。
もう家来だなんて思わないから……。
もういじめなんてしないから……。
僕を助けてください……。
なんでも、
なんでもするからぁ……。」
ポロポロ、僕の頬に大粒の涙がこぼれ落ちた。
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