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今思えば──
ここで大人しく死んでおけばよかったんだ──……。
「!!」
外にでると、爆発のせいで校舎はかなりボロボロだった。
所々出火していて、このままでは危険なことを物語っている──。
……やばい。
僕は痛む身体を引きずりながら出口を目指した。
「!」
人が…いる。
「お願いだよ!通してよ!」
「このままこうしてたら、お前の命だって危ないんだぜ!?」
僕は不思議に思いながらもそこへと近寄った…。
「なんの騒ぎなの…」
「あ!!月城!!こいつ何とかしてよ!!ここ通してくんねーんだよ!!」
目の前にはオタクっぽい、無駄に身体が大きくて太った男が立っていた。
男はふぅふぅ言いながら僕らを見下ろしている。
「はははは!
僕は知っていたよ。
いつかこうなることをね。
月城!お前に感謝するよ!!」
僕はワケのわからないことを言っている男の襟首を掴んだ。
「バカな真似してないで早くここを通してよ。こんなとこにいたって、全員死ぬだけじゃん……」
……話すのも面倒だ。
僕を早く助けてよ。
「ハハハ! だめだよ月城! お前は死ぬべきなんだ! 死ぬべき人間なんだよー!!」
……何言ってんのコイツ?
頭おかしんじゃない……?
「月城!月城俺らどうすればいんだよ!?」
モヤシみたいな雑魚男が僕にすがってきた。
「煩い!!自分で考えろ!!」
……!!
怒鳴った瞬間、
激痛に襲われてその場にうずくまった。
「月城!?月城、大丈夫かよ……!?」
モヤシは必死になって僕の汗を拭いてきた。
僕はそれを振り払う……。
「触んな!……僕は……僕はお前みたいな雑魚じゃないから、自力で抜け出してみせる!!」
……僕は反対方向へと這って行った……。
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