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絶対、絶対僕は助かる。
だって僕は神様に愛されているから。
ゼェゼェと痛む足を引きずって歩き続ける。
…助かったらどうしよう。
助かったら……
まず麻美を監禁してやろう。
麻美ああ見えて馬鹿だからなあ。数日監禁してればすぐに僕の言うこと聞くようになるだろう。
だってそうでしょ?
麻美は僕の事が好きなんだから……。
「はぁ……」
僕は壁に寄りかかり、身体を休めた。
もうすぐ、もうすぐ助かるよ。
だからあとちょっとだけ頑張んなきゃ!
僕は割れた窓ガラスに写った自分に言った。
「はー、僕って怪我してても綺麗。でもこんな苦しそうな顔は似合わないよ……」
気づけば一人でそんなことを言っていた。
「麻美は綺麗で強い僕が好きなんだから、こんな顔してちゃだめだよお」
僕は窓ガラスに写った自分に何故か釘付けになり、
ぶつぶつ窓ガラスと会話しはじめた。
「やばい綺麗…やばい」
熱気で頭がおかしくなっていたのか僕はその場を離れられなくなっていた。
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