逃走

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廊下は燃えていた。人なんて誰もいない…。 「鋭二…どこにいるの…? お願い…… 生きてるって言って……。」 ヘタッとその場に座り込む。熱気と煙が私の体力を奪った。 ……私はもう、引き返せないところまで来ている。 このまま、死ぬの──……? 「いやだ、いやだよ鋭二。」 ポロポロ、涙が流れる。 私が死ぬのは、別にいい。 私なんて死んでしまえばいい。 …でも。 最後に鋭二に会いたいよ……。 鋭二に会って…… 私は……。 「……。」 まだ死ねない。 私は力を振り絞って立ち上がった。
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