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「今、助けるから」
鋭二を無理やり、抱き締めた。
ガチャッ。
「!」
何かが鋭二を繋ぎ止めている。
手首の方に目をやると…
『…手錠…?』
鋭二の手首が手錠に繋がれていた。
しかも窓にがっちりと…
「な、なにこれ!?なんでこんなのが…」
鋭二はうつむきながら唇を噛んでいた。
「だから一人で行けって言ってんだよ!!」
ドンッ。繋がれていない方の腕でトイレの扉を殴った。
「逃げたくても逃げれねんだよ…。」
ニコッ、鋭二は自嘲の笑みを浮かべた…。
そんな…
そんな…
せっかくここまで来たのに…
ドンッ!
私は掃除用具で手錠を外しにかかった。
「何してんだよ!?」
「見てわかんないの!?外すのよ!!」
「はあ!?無理に決まってんだろ、早く行けよ!」
「無理じゃないよ!」
…無理じゃない。
鋭二は私が助けるんだ…。
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