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──麻美は震える手で鋭二の頬を撫でた。
「信じてあげられなくてごめんね…
助けてあげられなくてごめんね…
守ってあげられなくて…ごめんね」
ごめんね、ごめんね。
麻美はそればかりを繰り返す。
鋭二はどうすることもできずに首を振るばかりだった。
「鋭二…
生きて…
絶対…
生きてね…」
そして…。
「麻…麻。
何か言えよ。
麻…」
…鋭二の前で、麻美は動かなくなった。
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