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ふと、あたしは立ち止まって考えた。
あたしは自分の罪を忘れたの?
鋭二を信じられなかった……
消えない過去。
「麻?早く来いよ。何ボーッとしてんだよ?」
鋭二はいつもと変わらない笑顔で笑った。
あたしは言った。
「鋭二……あたしこのまま、鋭二と一緒にいていいのかな……?」
「は……?」
「あたし、鋭二に酷いことをした。
取り返しのつかないことをした。
あたしに鋭二に近づく資格、ない……。」
すると鋭二はフッと笑った。
「そうだよ。麻の罪はもう、消えない。一生消えることはない。そう言えば俺が許すと思った?甘ぇんだよ。」
鋭二はそう言い放った。
やっぱり……
鋭二は許してくれる気がないんだ。
あたしは涙目になりながら言った。
「ごめんね鋭二……。
あたし、図々しいよね。
もう鋭二に近づかない……」
から。
そう言おうとしたら、唇を奪われた。
深くキスをした後に鋭二は言った。
「麻の罪は一生消えない。
これからお前は一生俺のそばにいて罪を償えよ」
「鋭二……」
あたしは我慢していた涙が零れ落ちた。
ごめんね。
いつも助けられてばっかだね。
鋭二
ありがとう……。
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