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自分を嫌悪し続けたら、少しは気が楽になったかも。
頑張らなきゃ、ね。
ぎゅっと拳を握り締めて、気合を入れた。
風呂場を出て、風邪をひかないようにしっかりタオルで体を拭いた。
どうせお仕事辞めさせられちゃったんだから、一日中寝てるのもいいよね。
今までいっぱいお仕事したからお金もあるし、しばらくこんな日もいいかも…
買い物行くのもいいなあ…
凄くウキウキしてきた。
じゃあ、出掛けようかな♪
髪の毛を乾かして、部屋のタンスから服を取り出す。
今日は何を着て行こう?
そんなことをしていると、玄関あたりから物音がした。
え…何!?
もしかして─泥棒!?
ヒヤヒヤしてるうちに、足音が大きくなり、近付いてきてるのがわかる。
しかも力強い足音。
「やっぱりここか。何してんだ」
乱暴にドアを開け、純一さんが仁王立ちしていた。
「純一…さん?」
お互いの家の合鍵を持っているから、自由に出入りできるのは当然だ。
でも、どうして突然?
「どうか、したんですか…?」
「は?聞いてねーのかよ。早く用意しろ」
「だから何が──」
「早く」
昨日と全く態度変わってないじゃん。
せっかく明るくなったのに、また心が沈んだ。
「スーツ着ろ、スーツ」
急かすようにハンガーに掛けられてるスーツを指差した。
何でスーツ?
だってお仕事ないんでしょ?
渋々スーツを着た後、腕を引っ張られながら家を出た。
「だからっ…一体何があるんですか!?」
俺も怒りがうつったように声を荒くして聞いた。
「記者会見…」
「記者…会見…?」
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