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「あぁぁぁっ!!」
少女は山奥の古びた神社の中で胸を押さえ蹲ったまま、悲鳴にも似た嗚咽を漏らす。
眼には涙、額には汗、口元には唾液が絶え間なく溢れる。
『不治の病』
彼女の身を蝕むのは、そう言った類の物だ。
「ふっ。」
本殿を照らす炎がパチパチと音を立てていた。
少女には名が無い。
生まれた時、その地に伝わる『印』を持って生まれた為に親から離され『神の子』として育てられて来た。
12年間、ただそうやって生きて来た。
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