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『こんにちはー、リアさん』
女の人の声がした。
聞き覚えのない声だった。
『いらっしゃい、ロッサちゃん。あ……後ろにいるのは くんね?』
女の人の声がした。
とても懐かしい声だった。
『ヌイ。ロッサちゃんと くんがきてくれたよ。また剣を習いたいんだって』
『ああ……じゃあ はロッサにお願いしてもいいかな』
『うん。私はお茶を淹れてくるから』
……思い出した。
お父さんとお母さんだ。
よく知っている声なのに、なんで忘れていたんだろう。
突然、世界が揺れた。
ぐるりと体が宙に舞う感覚。
体は上手く動かない。
背に衝撃を感じる。
誰かが受け止めてくれたらしい。
『もう、ヌイさんは一人で歩いちゃだめじゃない。 ちゃんが怪我したらどうするのよぅ!』
『ごめん、ロッサ』
『 が ちゃんを受け止めたのよ。はいお礼』
『ありがとう、 』
『私は別に……お礼を言われるような事はしていない』
男の子の声。
聞き覚えのある声。
ゆっくり目を開いてみると、
やっぱり目の前には――――
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