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俯きながら首を左右に振り続けて、目が回った。
ひゃうう……。
わたしが頭を押さえている様子を不思議そうに見て、天使さんが口を開く。
「まあ、そんなに悲観する事はない。それはおまえが何度も致命傷を負ったために生まれた自己防衛の力だろう、長続きはしない」
つまり、今は死ねないということ?
永久的に不死ではない……それは今のわたしにとっては嬉しい事実だ。
でも天使さんに迷惑がかかってしまうんじゃないだろうか。
困った。
三種混血は、生きてちゃいけないのに。
「リアーツの愛娘」
顔をあげると、目の前の天使さんは微笑んでいた。
怒った顔や意地悪な顔ばかりの天使さんが……。
「おい」
一気に不機嫌になっちゃいました。
ごめんなさい。悪気はないんです。ごめんなさい。
彼は吐息を漏らして、わたしに背丈を合わせるようにかがんでくる。
しばらく睨まれたあと、頭を掴まれた。
違った……頭を撫でられる。
恥ずかしくて思わず、また俯いてしまう。
なんだろう。
さっきも撫でられたけど、なんだか懐かしい。
お父さん?
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