225人が本棚に入れています
本棚に追加
自分の体を見つめて。
あの時、お父さんとお母さんと一緒に死んだはずのあたしを見つめて。
わたしは、天使さんに聞いた。
「わたしは、生きてる?」
天使さんは泣いていた。
けれど、笑っていた。
「ああ」
もう一度、抱き締められる。
「間に合って良かった。本当に、生きてて良かった」
思い出した気がする。
どこかお父さんと似ている彼に……昔、会ったことがあることを。
「結論から言おう。おまえの存在は特例で認められている」
天使さんがいつもの様子に戻って、偉そうな言い方で説明してくれた。
詳しいことは聞くな、と最初に言われているので質問は我慢だ。
何でも天界では、リアーツ……お母さんは有名な人だったらしい。
「えっと、認められているって?」
「正確には一部の者で隠し通している。おまえを生かすために、協力してくれる者がいるのだ」
わたしのため……?
「わたしを助けてくれてるの?」
「そうだ。おまえは知らなくても、心配し、おまえの死を悲しむ者は沢山いるのだぞ」
最初のコメントを投稿しよう!