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「………………」
わたしは、ずっと独りだと思っていた。
でも本当はわたしを心配してくれる人がいて。
助けてくれる人がいて。
悲しんでくれる人がいて。
わたしは、誰かに必要とされているのだろうか。
わたしは……生きててもいいんだろうか。
「天使さんも、心配してくれますか?」
彼は少し驚いたような表情に変わって、顔を背けてしまった。
「…………それは先ほど答えてやっただろうが」
小声でささやかれた返答に、わたしは何だか嬉しくなってしまう。
「わたしが死んだら、悲しんでくれますか? 泣いて、くれますか?」
調子に乗って質問すると彼は不機嫌な様子になった。
「知らん」
なんでだろう。
それは誤魔化す時の台詞だと勘付いてしまったせいか、わたしはとても嬉しくなってしまう。
「天使さん、わたし生きます」
約束したから。
それがお父さんとお母さんの願いなら、わたしはそれを守りたい。
今は辛くても、いつかきっと良い事がある。
そう思って、生きていく。
「だから天使さん、わたしに魔力の制御を教えてください」
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