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「なるほど。それでルーちゃんは、その天使さんをずっと待ってるわけだね」
学校の保健室。
放課後にそこへ立ち寄るのは、もう日課になってしまった。
わたしと一緒に話しているのは同じクラスの美璃ちゃん。
わたしの、初めての友達。
「でも『いつか』だなんて、ちゃんと期間を決めれば良かったのに」
「そんなわがまま言えないよ」
美璃ちゃんはジト目でわたしを見つめてきて、呆れ返ったというように深い溜め息をついた。
「甘い、甘いねルーちゃんは。もっと積極的にならなきゃ、手に入るものも入らないよ?」
「……そういうものかな」
「そういうものだよ。とりわけ男女の仲は特にねー」
傍らに置いてあった缶ジュースを飲み干して、美璃ちゃんは大人びた事を言う。
男女の仲ってどういう意味だろう。
よくわからない。
ふと美璃ちゃんはわたしの頭あたりを指差してきた。
「もしかしてその髪飾りの羽根って、その時に拾ったもの?」
左側の横髪に付けられた、白い羽根の髪飾り。
ビーズを使って装飾したもの。
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