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「うん、そう。お母さんとお揃いなんだ」
「へぇー、リアーツさんもそんな髪飾りを付けてたんだね」
美璃ちゃんは一般人じゃない。
天族のクォーターで、天族や魔族のことにも詳しいし、少しだけ魔法も使える。
けれど彼女は普通に人間として生活しているし、優等生でみんなから好かれている。
正直、憧れている。
「いいなー、ルーちゃんはお母さんみたいに魔法が使えて。私も使いたいなーっ」
「美璃ちゃんも使えるよ?」
「テレパシーだけなんて人間の超能力者と変わんないし。私はもっと派手なのをどかーんばこーんって使いたいよ」
どかーんと擬音を口にしながら飛び回る美璃ちゃん。
使えてもあまり使い道ないと思うんだけどなぁ……。
「あら、今日は二人共早いのねぇ」
保健室の扉が開いて、女の人が入ってくる。
当然、よく知っている人だ。
「今日もお邪魔してまーす、安藤先生」
「お邪魔するのはいいけど、そこは私の席じゃないかしらぁ、美璃ちゃん?」
指摘された美璃ちゃんは、そそくさとわたしの隣のソファーへと移動する。
そしてわたしに軽く合図をした。
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