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それでも褒められたのが嬉しくて、思わず微笑んでしまう。
二人の声を聞きながら、ふと窓から空を見上げた。
あの日からもう一年が経つ。
長いようでとても短い、そんな一年だった。
美璃ちゃんが転入してきた日も、新しい保健室の先生が聞き覚えのある名を名乗った時も、昨日のように思い出せる。
そして、天使さんと会った日の事も。
「天使さん。わたし、本当に生きてて良かったです」
もしあの時、天使さんが助けてくれていなかったら、
美璃ちゃんにも会えなかったし、安藤先生も来てくれなかった。
こうして、楽しい日々を過ごすことも出来なかった。
「わたし、幸せです」
今度は、笑って会いたい。
今度こそ笑顔で、いっぱい会って、いっぱい話して。
上手く焼けるようになったクッキーを食べてもらえたら、嬉しい。
人間と天族の違いは、ただ魔法が使えることだけ。
だからわたしは、
あなたを『天使』と呼び続けよう。
わたしを救ってくれたのは
本物の『翼』を持つ
本物の『天使』さん。
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