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がっくりと肩を落とす男子生徒たちに、先程華麗なシュートを決めた彼女はニッコリと微笑みながら近付いていく。
「エヘヘッ!明日は木曜限定カレーがいいなっ!」
満面の笑みでそれを口にした彼女に、呆然と立ち尽くしていた生徒達から次々と出る文句の嵐。
「おっお前!ふざけんなよ!?限定カレーなんか買える訳無いだろ!!」
「いつも昼休みが始まった途端に売り切れる代物だぞ!?」
「生徒の俺達が買う前に全部、先生達が買ってっちまうよ!」
サッカー部員に囲まれて散々文句を吐き出された彼女は、笑顔のまま首を傾げる。
ふわりと黒髪が横に流れ、白いうなじがわずかに見え隠れした。
「そういう言葉は、もっと強くなってから言おうね?」
柔らかいが有無を言わせない彼女の言葉に、威勢のよかった部員達も押し黙ってしまった。
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