2.雨の記憶

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そうか。私はあれから私は気を失っていたのだ。 「起きた?」 抑揚のない、感情が見えない声で『リョウ』は言う。 彼はどうやらお風呂上がりのようだ。グレーのTシャツに黒のスウェット。髪が濡れていた。 目は合っているのに、何の感情も読み取れない。 悪意すら。 「何か飲む?」 あたしの返事も聞かずに部屋を出て行った。 何のつもりだろう。 ていうか、誰。 背筋に寒気が走った。 あれから私、どうしてたの? もしかして、何かされたの!?
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