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「死にたいの?」
そう尋ねる瞳の色は、どんな夜空より深い。
死にたいの?
体の血の気が引いていくのを感じた。
あたし、死にたい、の、かな…。
その瞳を見ることができなくて、あたしはマグカップの中のに視線を移した。
「死んだら楽になれるよね。」
何度も考えたよ。
「さあな。その歳で死ぬのは早いだろ。」
「……早いよね…。」
あたしは今にも泣きそうだった。
凌、早すぎるよ。
「『リョウ』ってだれ?」
!
目に涙が溢れて、マグカップが見えない。
「モトカレ。」
そう言うのが精一杯だった。
「別れたの?」
「死んだの。」
「あたしの…せいなの…。」
涙が止まらなかった。
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