蒼い月

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そのときの月は蒼かった。 満月の次の夜。 あたしはひとりで橋の上に立っていた。 水面に月の光が映って、 このまま吸い込まれそうだった。 あれから一か月。 あたしの心の中には未だに穴が開いている。 凌(りょう)が死んでから一か月がたった。 あたしが悪いんだ。 あのときわがままを言ったあたしが悪いんだ。 ここに来ると涙が出てくる。 癖になっている。 ねえ誰かあたしを助けて。 誰かあたしをこの苦しみから救ってよ。
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