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追ってこない・・・。
少し走ったところで足を止めた。
次の瞬間、上がった体温がいきなりまた下がった。
薄暗い 並木道の前方に見えるのはあの男じゃないか?
こっちへ向かって歩いてくる。
なんで前にいるの?
気味が悪い。
一歩。
また一歩。
逃げようにも足がすくんで動けない。
『リョウ』から目が離れない。
『リョウ』という男は私の目の前まで来た。
「こんなとこに一人でいたらあぶないよ?――吸血鬼が出るからね。」
私は叫ぼうとした。
涙目で助けを呼ぼうとした。
でも声が出ない。ヤツは冷たい手で私の口をふさいで、こう言った。
「痛くなんかないよ。全然へーき。だーれも死んだりしないって。」
誰か助けて!
誰が声にならない声を聞きつけ助けてくれるとゆうのか。
凌!!
助けにきてくれる気がしたのだ。気のせいに決まってる。
あれからもう一か月もたったんだから。
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