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私は地図を適当に確認しながら歩いていた…
ネイサン通りに出る為に…
メアリーに会う為に…
ニーリイ通りへと辿り着く…
ニーリイ通りの道も陥没したのか、無くなり、崖となっている…
そしてニーリイ通りの崖の傍には人間の死体と、メモが数枚落ちていた…
人間の死体だというのに…あまり心が動かない…
それ程までにこの町は狂っている…
私を狂わせる程に…
メモを拾い上げる…
書かれていた言葉…
『私が知ったこと、思ったことをここに書いておく。それが少しでもあなたの助けになればと思う。
あなたがこれを読んでいるということは、たぶん私はもうないのだろうけれど』
『私はあの悪魔たちを見た。確かにそこにいた。しかし友人は何も見ていないと言う。
それが現実ならば、私が見たものは幻だったのか?
ただ、言えるのは、あの人を食らう悪魔たちが実存していても、私の頭がおかしくなり幻覚を生み出してしまったのでも‥‥どちらにしろ私は救われない。』
『彼らは灯りに寄ってくる習性を持っているようだ。いや光の中に見える人という餌になのだろう。
そして音に対しても反応を示す。
もしただ生き延びたいのならば暗闇の中で、じっとしているのが正しいのかもしれない。
それで助かる保証はないけれど。』
『もし戦う事があるならば、第一に落ち着くことだ。恐怖に駆られて、銃を乱射するのはむしろ危険である。
よく狙い、そして引きつけること。そしてとどめを忘れてはいけない。
あの化け物たちも、たいてい倒せないことはない。人ほどもろくないにしても。』
『逃げろ』
『逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!』
乱れた筆跡と、おかしな文法が…
より私を狂わせる…
しかし私は町の公園を目指しひたすらに散策を続ける…
途中何度も何度も化け物に遭遇した…
人一人居なかったはずの町が…
何故化け物で溢れている?
おかしいのはこの町か…
狂ったのは私の方なのか…
分からない…
分かりたくもない…
だから私はソレを避けるように走った…
無駄な殺生を避けているだとか、そんな高尚なものでは無い…
ただ得体の知れない化け物の存在が恐ろしかった…
脅威だった…
あの…殺害した時の腕の感触が…
私を狂わせる様で…
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