part02†泡沫

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「結鶴、凌辱歌うのは一回だけだからな?」 「良いよ!!あとはみんなからのリクエストで!」 イントロが早くも流れだす。 仕方ない。 断りきれなかったのは俺だから。 いや、正直悔しいよ。 いっつも結鶴のおねだり攻撃に負けてる俺が情けないよ。 でもすんげぇ可愛いんだ……。 小動物みたいで…。 お前はキャバ嬢だろって感じだぜ? なんで結鶴みたいに可愛い奴がホストなんだって思うよ。 兄弟の中で一番純粋で可愛くて、素直で愛らしくて……ぐぁぁあーっっっ!!! 「愛してるぅぅぅうぅぅっ!!」 「やっぱりくおかっこいい!!」 喉イテェよ!! 馬鹿野郎!!! なんとか歌い上げるものの、俺は喉を鍛えているわけじゃないからあっという間にバテた。 「イテェよぉ……千鶴ぅ…」 「こういう時だけごますりしてこなくて良いですよ」 「いや……本当イテェ…」 「ったく、仕方ないですね。のど飴ですか?それともキスですか?」 ──── くたばれ、千鶴。 キスなんて選択肢があるわけねぇだろうが。 「のど飴ぇ……」 「はい。良かったですね、俺がのど飴中毒で」 「こういうときだけはありがたい………」 千鶴は自他共に認めるのど飴中毒だ。 暇さえあればのど飴をガリガリ噛み砕く音が千鶴から聞こえる。 さすがに接客中は我慢してるみたいだけど、そのあとは酷い。 千鶴の歯、欠けてるんじゃねぇかってくらいガリガリガリガリ……文句言いながら噛み続けるんだ。 まあ、おかげでこういうとき助かるんだが。 俺は千鶴から一つのど飴をもらい、口に入れた。
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