part02†泡沫

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「こんなに近くで話すのは初めてだな?姫城久遠」 「呼び捨てにするな。それに、お前結鶴に何言ったんだよ」 俺も瀧澤葵って呼び捨てにしてるけど、それは憎しみを込めての呼び方だ。 好意なんて感情は、砂ほどにもない。 結鶴にあんなこと言ったんだから、砂からミクロになったな。 「何も言っていないが?ただ、姫城久遠の隣を譲ってほしいと言っただけだ」 「嘘言え。結鶴の首飛ばすとか物騒なこと言ってたらしいな」 「なんのことだ。俺には身に覚えがないんだが。結鶴に譲ってほしいとまでは確かに言ったが、首を飛ばすなんてことは言ってない」 ………嘘吐くのもいい加減にしろよ。 結鶴をそんなに悪者にでもしたいのか?お前は。 今更何を弁解するつもりだ。 俺は騙されないからな。 絶対に、絶対にだ。 「結鶴が何を姫城に言ったのか知らないが、俺が言ったのは本当にそれだけだ」 「………しろ…」 「姫城?」 「いい加減にしろよ!!」 立ち上がり瀧澤葵を怒鳴り付けた。 これ以上結鶴を侮辱されてたまるか。 他のメンバーも俺を見てきたけど、俺には関係ない。 当の瀧澤葵はと言うと、驚きもせずにタバコをふかしていた。 ……余計に腹立つ。 「お前が結鶴の何知ってんだよ!結鶴はそう簡単に嘘なんか吐いたりしねぇよ!!!勝手なことばっかり言うな!お前が嘘吐いてんだろうが!!?大体な、俺はお前が心底嫌いなんだよ!!それでもこうやって仕方なく話してやってんのに、挙げ句結鶴の悪口か!?ふざけんのもいい加減にしろ!!」
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