part02†泡沫

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今日の仕事も終わった終わった。 新しいスーツも香水と化粧品、それと酒の匂いが染み付いてしまっていて、今まで着てきたスーツと大差がなくなった。 これ結構奮発して買ったスーツなのに。 凹んでいる俺の身体が急に揺れ、誰かに抱きつかれた。 「何神妙な顔してんの?」 「………幟鶴(しづる)か。お前、仕事上がったのか?」 そう聞くと幟鶴はもちろんと言って、俺に抱きつく力を強めた。 この怪力野郎が!!! 骨折れたらお前のせいだからな! 幟鶴もとい、神崎幟鶴(かんざきしづる)は俺の親友だ。 もう二人幟鶴に兄弟がいる。 千鶴(ちづる)に、結鶴(ゆづる)。 千鶴は敬語で毒舌の29歳。 結鶴は完璧な弟キャラの21歳。 ついでに幟鶴は変態だけど、他は異常なしの25歳。 年からすれば、俺の方が年下なんだけどここで働きだすようになってからは、前よりも仲良くなった。 千鶴と結鶴とも。 どうもこいつら兄弟は、群れるのが好きらしくいつも俺に付き纏う。 29歳の三十路寸前おじじも、飽きもせず俺に抱きつきに来る。 21歳の可愛い弟キャラ結鶴なら許せるけど、さすがに千鶴と幟鶴はパスだ。 俺の好みは断然結鶴だ。
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