part02†泡沫

3/24

111人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
そろそろ千鶴と結鶴も上がってくるはずなんだけど………。 「くおー!!」 「来た来た」 この叫び声の主が末っ子の結鶴。 お、走ってる走ってる。 「千鶴がね、僕がお酒嫌いなこと知っててウォッカ飲ませようとしたー!!!」 わんわんと泣きだす結鶴を抱き締めながら宥める。 その間も、俺を離そうとしない幟鶴がそろそろうっとうしくなってきた。 「幟鶴、離せ」 「嫌だ。久遠の匂い好きだから」 この匂いフェチめ!!! 今の俺のスーツは、最初にも言ったように香水と化粧品、それに酒の匂いがぷんぷんする。 それで、何が"久遠の匂い好き"だ。 俺の匂い全然しないし。 「おや、こんなところにいたんですか。出来が悪い馬鹿結鶴と、加齢臭フェチのアホ幟鶴」 「Σな"」 「事実を言われて何ショック受けてるんですか。アホ幟鶴」 「俺は!加齢臭なんて!好きじゃ!ない!」 出た出た。 毒舌お兄様兼キング。 で、いちいち区切るなっ!! 耳元で叫ぶな!! 聞いてるこっちがイラつくわ! アホ幟鶴!! ………便乗して言ってみた。 特に意味はないです、はい。 「葵さんが今日はオールって意気込んでましたよ。どうします?久遠」 「え?俺?」 「そうですよ。このアホで馬鹿な幟鶴と結鶴に任せてられないでしょう」 …………同感。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加