part02†泡沫

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本題の瀧澤葵がオールだって意気込んでることだけど、俺は絶対に行かないし行きたくない。 俺はあいつが大嫌いだから。 なんというか、とにかく苦手なタイプなんだ。 なんでもかんでもストレートで、見透かされそうな瞳して、その上俺の上行くホストだし!! 敵対心を剥き出しなのは故意だ。 あいつに近寄られないための対策。 ───まったく効いてないみたいだけど。 「俺が瀧澤葵のこと嫌ってるの知ってるだろ?そんな奴からの誘いに誰が乗るかっつーの!!」 「むきにならないでくださいよ。ただでさえ、この二匹の駄目犬がうるさいんです。久遠までうるさくなったら、何かしでかしそうなんで」 キングスマイルは、かなり冷酷だ。 ひれ伏せ!!愚民ども!!的なノリだな、これは絶対。 「余計な妄想を膨らませている暇があるなら、早く決めてください」 うっ……バレた。 勘が良いから怖いんだよな、千鶴は。 迂闊に詮索して、勝ちを確信したって足元から千鶴の誘導尋問に引っ掛かるからな。 特に俺は。 どーせ間抜けだよ!! 「とにかく行かない!俺は断固拒否だ!あんな奴とオールなんて、考えただけでも鳥肌が……」 「皮を剥いで焼いてしまいますよ?どうしても行きたくないんですか?」 「どうしても、だ」 「そうですか。久遠は歌が上手いので、盛り上げ役になってもらおうって決めていた葵さんにはなんて言っておけば良いですか?」 「瀧澤葵、お前なんか嫌いだ。だから行かないとでも言っとけ」 あー、突っ込むの忘れてたけど……焼くのはやめろ。 かといって茹でるのもやめろ。 皮を剥ぐのもやめろ。 最悪の意味で鳥肌立つ。 そんなことより、俺っ!! よくぞ言った!! 瀧澤葵本人には言ってないけど、千鶴に言った!! ……意味ないとか言うなよな…。
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