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胡蝶が使い魔としてアクアノイドの姫、リースに召喚されて二年の月日が流れた。
そんなある日のアクアノイド城では、人々の笑いさざめく声がクラシック音楽と共に城中を満たしている。
そんなアクアノイド城で一番広い謁見の間には、普段から城に住み込みで働いている者達でも滅多にお目にかかれない様な豪華な料理が所々に設置されたテーブルに並び、城に集まった各国の王や王妃、そして世界の財政を支える貴族達で溢れ、一種の立食パーティーの様になっている。
実際、この宴は漆黒の姫君リース=ウォーターエンジュの為に催されたパーティー。
つまり、今日はリースの一七回目の誕生パーティーなのだ。
そしてパーティー会場の奥にある王座に座っているのは現国王ではなく、本日の主役のリースが腰掛け、招待客達が楽しそうに雑談したり生オーケストラに聞き惚れたりしているのを所在なさげに眺めている。
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