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胡蝶は両手を肩の位置まで上げると『我が儘なお姫様だね』と言って溜め息を吐く。
その胡蝶の発言が頭にきたのか、リースは立ち上がり父王の側まで行くと『パーティーの熱気に中てられてしまいましたので、夜風で身体の熱を冷ましてきます』と言うと、胡蝶の腕を掴んでパーティー会場の外へと出て行く。
父王はリースに『気をつけるんだよ』とにこやかに声を掛け、父王の後ろに控えている老人執事のシュラは深々と頭を下げてリースを見送る。
そうしてパーティー会場からの脱出に成功したリースは、自室に戻りテラスから見える満天の星空を見上げながら首を左右に振って骨を鳴らす。
「そういう仕草を見てるとさ、ホントに最初は演技だったんだって実感するよ……そんなに猫被ってて疲れないのか?」
胡蝶はもはや呆れを通り越して賞賛を送る様に拍手している。
するとリースはテラスの柵に背を預けて胡蝶を真っ直ぐに見つめると、微笑みを浮かべながら答える。
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