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「貴様っ! 姫様に対して何という口の利き方だ!」
執事は胡蝶に向かって鞘から刀を抜き振るう。
先程とは桁違いの殺気が執事の刀には篭められており、本当に胡蝶を殺すつもりだと理解できる。
そんな状況に置かれながらも先程とは違い胡蝶は焦った様子を見せないどころか、興味なさげに成り行きに身を任せている。
「シュラ、止めて下さい」
リースにシュラと呼ばれた執事は胡蝶の眼前で刀を止める。
だがシュラは納得いかないのだろう、シュラは胡蝶を睨みつけ刀を引かずにリースに話し掛ける。
「何故お止めになるのですか姫様っ!!」
シュラの怒りを孕んだ声音を聞いたリースは溜め息を吐きながら理由を話し始める。
「胡蝶は私の使い魔です、私にとって一番近しい者になるのですから口の利き方はそれで構いません」
それを聞いたシュラは渋々ではあるが刀を分解して自身の内に戻すと、元いたドア付近の壁に移動する。
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