―序章―

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世界とは『次元』だ。 可能性の数だけ世界は存在する。 あり得たかもしれない世界。 パラレルワールドがその代表とも言えよう。 無限とは読んで字の如く限りがない。 故に彼は恐怖する。 数多の可能性が自分の存在を押し潰すのではないのかと。 目に見えない世界が彼を狂わせる。 『不公平だ』 言い慣れた言葉を口にした。 彼は望んだ。 全てが『絶対』である事を。 それは自然と 彼をある研究へと駆り立てる。 もはや限界だった。 窒息しそうな状況に、彼は爪を掻き立てる。 いつしか 彼は忘れていった。
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