―序章―

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大切な何かが欠けていく。 人が人たらしめん重要なものが消えていく。 気付けなかった。 重要な、しかし些細な、だけど大切なものに彼は気付けなかった。 狂気を纏った彼には、その事が見えなくなっていた。 道端の小石の様に。 悲しむべきか。 そこに『友人』と呼べるものがあったなら…… 彼はこれから彼自身が作り出す次元に足を踏み入れる事も無かっただろうに―――。 『無限は要らない』 全てをひとつに。 『絶対は唯一無二であるべきだ』 可能性を 『脅かす存在を』 未来を 『俺の世界だけに』 ただ一本の道の上だけに 『閉じ込める』 封殺する―――――。
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