始まる日常

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帰って来て夕食も摂り終わった後… ぐぱぁ… 「は~い♪」 相変わらず…いや、前回よりも脈絡が無いぞ。 紫は今回もまた頭上であの穴から上半身だけを出している。 「今度はなんだ?」 諦めた感じの雰囲気だな 「夢稀に用があってきたのよ♪」 「じゃあ私は席を外そう。食器を洗ってるから話しててくれ。」 「ああ分かった。頼んだぜ。」 そういうと、慧音は台所に消えた。 「すっかり新婚さんみたいね~♪」 「こんなに他人行儀な新婚があってたまるか。それで、何の用だ?」 紫は突然真顔になって 「昨日し忘れた最後の確認をしに来たのよ。」 「確認?」 「そう確認。外の世界での貴方の立場をどうするかについてよ。」 そうか…忘れていたが俺は突然消えたってことになるんだな… 「俺の立場…。具体的にはどんな風に出来るんだ?」 「そうね…、例えば、記憶に微かに残して存在の証拠だけ残したり、いっそそのまま家出少年として騒がせたままにも出来るわよ。」 何でもありだな… 「そうだな…じゃあ、」 こうするしかないだろう 「じゃあ、存在しなかった事に出来るか?」 「出来るけど本当にそれでいいのかしら?」 「ああ。一応は仲いい奴らとか俺を心配してくれるような奴も居たし、保護者みたいな奴も居たんだ。保護者の方はともかく、俺の友人達は俺にとってはかなり大切なんだ。数少ないしな。こうすれば、警察沙汰にもならないし、奴らに心配もさせなくて済むはずだからな。」 一息に云いきる 「…いやに饒舌ね。本当は嫌なんじゃない?」 確かに俺らしく無かったか…。 「…ああ。すごく嫌だ。忘れられるのも辛いのに無かったことになるなんて辛いに決まってるだろ…!」 折角自分を騙せたと思ったのになぁ…。自覚すると涙が…。 「……。」 黙って居てくれてるのが有り難い。今だけは・・・泣かせてくれ。 ―――――――― そしてようやく落ち着いた。 「それで、どうするのかしら?」 聞くまでも無いだろう。 「俺の答えは変わらない。俺の存在を無かったことにしてくれ。」 「本当にそれでいいのかしら?」 当然だ 「ああ。やっぱり大切だから心配させたり迷惑かけたりしたくない。」 「そう。分かったわ。じゃあ私は帰るわね。」 ぐぱぁ… 「ふぅ…」 「今日はもう寝ろ。」 慧音…何時から聞いてたんだ?どうでもいいか…。 「ああ分かった。お休み。」 そして1日が終わる
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