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【自警団訓練所】
「ここか…。」
なるほど、若者から初老までの体格のいい男達が集まって訓練してるな。
「ああ。先ず最初は見ているといい。」
「ああそうするよ。」
村の男達は規律の取れた動きでトレーニングをしている。
なるほど、いいチームだな。
そこに慧音が歩いて行き、挨拶なんてされている。
……もはや責任者は慧音なんじゃ?
で、そのあとは慧音も混ざって模擬戦をしている。
しばらくすると、一段落したらしく俺に来いと云ってきたので行こう。
「こいつはこのごろ来た外来人の夢稀だ。自警団への入団を希望してるから、色々教えてやってくれ。」
「夢稀です。よろしくお願いします。」
「女みたいな奴だな。」
うぅっ…云わないでくれ…
「そういうな、一応それなりには強かったらしいぞ。」
慧音がそう云うと、団員たちは話し合いを始めた。
……何だろう。嫌な予感しかしない。
「よし。それなら俺と戦え。これでも団長なんでな、力が見たい。」
ほらやっぱり。
にしても、団長はこいつか。確かに見た目からほかの奴らより強そうだな。
「どうした、怖じけづいたか?」
「いや、そういう訳ではないさ。とりあえず、戦おう。俺も自分の力の程度を知りたいからな。」
「まったく、血の気の多い奴らだ…。どうせ止めても聞かないだろうから、せめて私が見ていてやろう。」
そう云って慧音が審判を買って出る。
「悪いな。」
「気にするな。私が見ていれば大事にはならないだろう。」
「先生、ありがとうございます。じゃあ、始めるぞ。他の奴らは下がってろ!」
「ああ、巻き添えにしたりしたら後味悪いからな。
っと、武器は木刀か?」
「ああそうだ。流石に殺傷力があるものを使うわけにはな。お前は?」
「んじゃ、素手で。」
「嘗めてるのか?」
「いや、武器を使った戦いをしたことが無いだけだ。」
下手な武器を使っても戦いづらいだけだ。
「ならせめて、何か着けろ。」
「あんたも手加減してるのにか?力を見るなら対等の条件じゃないとな。」
「頑固な奴だな。まあいい。じゃあ始めようか。」
「ああ、始めよう。」
夢稀VS自警団長
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