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「グガアァァァ!」
「に、逃げろ!」
「キャアアア!」
急に穏やかな雰囲気が一転し、外が騒がしくなる。
「慧音!!」
「ああ行くぞ!夢稀!」
慧音はさっさと外へ出て、俺は武器を引っつかんで身につけながら外へ走る。
(何故だ!昼は妖怪が襲ってくる事は無いはずなのに!)
戸惑いと焦りを感じながら外へでる。
――――――――
【人里】
外へ出た瞬間、夢稀の思考は止まり、頭が真っ白になる。
子供が喰われていた。首を食いちぎられて、明らかに死んでいると分かる。
「貴様、何をしている!」
慧音が妖怪に呼び掛ける。よく見ると何匹か居て、1人しか喰われていない。その事実を認めてなお、夢稀の頭は真っ白なままだ。
「人間のガキを喰ってんだよ。見て分かんねえか?」
馬鹿にしたよう嘲笑う妖怪たちを見て夢稀の心がいくつかの感情を生み出す。
「何故今なんだ!」
「ガキ共が不用心に遊び回ってるからに決まってるだろ。ガキの肉は上手いからなぁ。」
この言葉で夢稀の心は3つの感情に支配され、そのうち2つが「敵」に向けられる。
「貴様、許さ「許さない」っ!」
慧音の言葉を遮り、顔を上げた夢稀の目に映るのは、『怒り』と『憎しみ』…
「貴様らはそんな理由で子供達の未来を奪うのか…。」
(体が軽い。体を駆ける力が俺の能力なのか。今ならなんでも出来そうだ。)
慧音が驚いて夢稀を見ている。慧音にはその力の正体が分かる。だからこそ驚き、反応できない。
「ウゼエ人間だ。先に死ね!」
妖怪たちは気づかずに戦いを挑む。
「よくも俺の教え子を……貴様らだけは許さないぞ。皆殺しにしてやる…。」
夢稀VS妖怪×5
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