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台所に入るといい匂いがした。やはり慧音が料理を作っているところだったようだ。
「慧音、おはよう」
「夢稀か。早起きだな。」
「習慣だからな、簡単には変わらないものらしい。」
と云いつつ、現在は6時半。俺のいつもの起床時間は5時から5時半。決して早くは無い。
「朝食作るからちょっと待っててくれ。」
「手伝うよ。居候の身だしな。」
そう云って慧音の隣に行くと、
「料理できるのか?」
意外そうな顔で云う。
(うん、気持ちは分かるけど傷つくな…。)
「一人暮らししてたからそれなりにはな。」
「じゃあ湯を沸かして豆腐を切ってくれ。」
「了解~♪」
ガラガラ~…
(こんな朝早くから誰だ?つかノックも無しかい?)
「ああ、来たな。安心しろ知り合いだ。」
そう云われた時入ってきたのは、白いシャツに赤いズボンをはき、頭に大きなリボンをつけた銀髪の少女だった。
ただ、なぜか髪とズボンのいたるところに符のようなものがついている。
「け~ね~。おはよう。」
「おはよう妹紅。朝食はすぐ出来るから寛いでいてくれ。」
「おう。あれ?そいつは?」
「ああ、こいつは夢稀だ。で、夢稀。こいつは妹紅だ。」
「外来人か。まあよろしくな。」
「ああよろしく。」
「…どうでもいいが女か?」
ああ…まあいつもの事だったわけだけどさ…。
「違う!時々間違われるが俺は男だ!」
「そ、そうか悪かった。悪かったから涙目になるな。」
…ハッ!またやってしまった…
「悪い。若干のトラウマだったんでな。まあとりあえず待っててくれ。」
――――――――
「よし出来た。じゃあ食べよう。」
「「「いただきます」」」
――――――――
「思ったよりうまく出来てて安心したぜ。」
「たしかにな、お前料理うまいんだな。」
「さて、片付けたら夢稀はついて来てくれ。」
「じゃあ私はもう行く。」
「ああまた来い。」
「またな。」
(飯食いに来ただけかよ…。)
「さて、私たちも行こうか。」
「ああ、分かった。」
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