始まる日常

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「皆朝早いんだなぁ。」 周りを見るとまだ朝8時にもなっていないというのに店を開く準備などで賑わっている。 その他にも朝の運動をしている人々もたくさん見られる。 「私たちは普通この時間だが外は違うのか?」 「外ではだいたい店が開くのは10時とかだからな。この様子ならこの里では9時には開くだろう?なら早いさ。」 「なるほどな。 そういえば、夢稀は外では何をしていたんだ?」 「特には何も。一応学校には行ってはいたがそれくらいだな。」 「学校か…、外の学校というのはどういうものなんだ?」 何を云っていいかわからないな…。 「ん~。色々と教えてはいるけど、今は学問を教えるというより人格形成が重要視されてたりするな。」 「なるほどな。そういえば、夢稀は戦闘は出来るか?」 「人間相手ならそれなりにはな。一応は、近所で俺にかなう奴はいなかった。」 何故か昔から不良に絡まれることが多かった俺はそれなりに喧嘩が強い。というか強くなるしかなかった。 「それなら護身用に戦闘用の篭手と靴をやろう。」 「ここに居れば要らなくないか?」 「それがな、たまに妖怪退治をしなければいけないほど妖怪が増えることがあるんだ。その時は村の自警団と一緒に私も行くから身を守れた方がいい。」 慧音が危険だと昨日怒鳴ってたのはそういうことか。 「それならありがたく借りておくよ。」 「さて、話も一区切りしたところでここが目的地だ。」 「ここでは何をしてるんだ?」 目の前には少し大きめの小屋のような建物。とはいえ、造りはしっかりしている。 「ここは学校だ。私はここで授業をしているからな。まあ取り合えず指示したいこともあるから入ってくれ。」 「了解~」 ―――――――― 「ここがこの里の学校か。で、指示とは?」 「指示することがあると云ったが1つだけ頼みたい事がある。」 面倒な予感しかしないな…。 「……まさか授業をしろと?」 「その通りだ。と云っても学問を説けなんて云うわけじゃない。相手は子供だからな、外の話をしてくれればそれでいい。」 「外の話ねぇ…。特に話すことがあるとも思えないんだがどうだろう?」 「まあ好きな事を好きな様に話してくれればいいから頼む。」 好きなこと・・・か 「分かったよ。これも手伝いの一環として頑張るさ。子供は好きだしな。」 「ああ助かる。では子供達も集まったようだし始めようか。」 夢稀「ああ。」
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