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春休みになり、私は弟とお祖父ちゃんと一緒に親父の所に戻った。
着いたのは夕方だった。お祖父ちゃんは、事の状況と、不本意ながら、私達をここに帰す事を伝えた。
親父は、泣きながらお祖父ちゃんに土下座して謝っていたし、お礼を言っていた。
私は、親父がずっと自分達を待っていたと思った。
すぐにその期待は裏切られた。
お祖父ちゃんが、帰った後、親父は信じられない事を言った。
『あ~ぁ、やっと失せやがった。面倒臭ぇ爺だぜ。しかも、クソガキを押し付けやがって。チッ!』
親父は、そう言って、リビングの座椅子に座ると、私達を睨み付けながら、煙草に火をつけた。
そして、リビングの入り口に立ち尽くしてる、私と弟を見て言った。
『フザケンナよ、おめぇ等!。今更ノコノコ帰って来やがって!
あぁ!お前らが、俺を捨てたんだろぅが!
しかも、俺は結婚しよとしてたのに。テメェ等のせいで、出来なくなったじゃねぇか!
俺はぜってぇ許さねぇからな。一生だ。
恨んでやるからなぁ!俺の人生めちゃくちゃにしやがって!
…泣くんじゃねぇ!
ただでさえ厄介のに余計鬱陶しいだろ!さっさと部屋に行け!』
私は、何がおきているのか、意味がわからなかった。
急に、目の前が白くぼやけてきて、耳鳴りがした。
『おい! 聞いてんのか? 鬱陶しいから、失せろって言ってんだろ?』
その時に分かった。いや、分かり始めていた。何で母が出て行ったのか。
私は誓った。今日で、コイツの前で泣くのを最後にしよう。
何があってもコイツの前で泣かない。泣くもんか!
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