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朝6:30ぴったり。
僕の1日は新聞を読むことから始まります。
窓からさす朝の光を浴びながら静かに美しい文面を読めることはこのうえない至福なのです。
コーヒーが入る音を聴きながら、新聞に目を通していると僕の一時を壊す馬鹿がドタドタ音を立てながら降りて来ました。
我が愚兄…綾川 夏樹(アヤガワ ナツキ)です。
もう少し静かに降りられないんでしょうか?
兄には静寂の良さを理解して欲しいものだ、そう思いながら無視して新聞を読み続けているとうんざりした声で話かけられました。
「…うっわ新聞とか。冬夜まぢオヤジくせぇ」
テレビ欄しかみない兄には言われたくありません。
そう反論しようとして目を離すと、牛乳をパックのまま飲む兄が目に入る。
「僕が親父なら、牛乳でヒゲを作った兄はとても幼いですね。毎回、言いますが牛乳はコップに注いでから飲んでください」
「いいぢゃん。どーせ俺等家族どーしだしィ」
僕は家族同士でも嫌です。
兄が口を付けた牛乳なんて汚らわしくて飲めません。
飲める訳がありません。
だから僕は身長が伸びないのか何てたまに考えます。
これも全て兄のせいです。
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