新たな繋がり

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この小林君、ちょっと不思議体験もしていた。 小さい頃から苦労して来た分だけ、すごく親や兄弟思いだった。 けど、そんな小林君でも、働けど中々減らない借金に、愚痴の一つも出るだろう。 「全く、クソ親父! 親父のせいで、俺らがどんな思いしてると思ってんだよ!! 全くよ~」 とか、お父さんの仏壇の前で、散々愚痴っていたらしい。 そしてそのまま、いつしか眠りに就いた。 すると突然の金縛りに… そして次の瞬間、あっという間に仏壇に引きずり込まれそうになったそうだ。 それを聞いた私は当時、金縛りなんてものも信用してなかったので、 「小林君が、寝ぼけてたんじゃないの~(笑) きっと夢見ただけだよ~。」 なんて半信半疑だったが、 「そんな事ないですよ!! 両腕引っ張っられて、あっという間の出来事だったんですから!! なぁ、まゆみ! 本当だよね!!」 「うん、次の日も文ちゃんの腕に、くっきりと手の後残ってたし…。」 なんか、そんな事聞いて、急に鳥肌が立ってしまった。 「多分、親父が怒ってたんですよ(笑) 俺があんまりにも、ボロクソに言ったから。 だから、それからは仏壇の前では、絶対文句言わないようにしようと誓いましたよ~。 あんな怖い思いすんのヤダもん(笑)」 「そうだよ。 多分、お父さん怒ってたんだ。」 「俺、あのままあの世行きかと、本気で思いましたよ~。」 そう言いながら、わざと震えてみせる。 例え夢だとしても、そんな場面に遭遇したら、かなりビビっちゃうよねぇ。 ※例え同級生でも、ボーイは女の子には敬語です。 女尊男卑の世界ですから。
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