529人が本棚に入れています
本棚に追加
クリスマスと言う事もあり、いつもより気合いを入れてドレスアップした。
ヘアスタイルは、ポンパドールで纏め、ドレスは鮮やかな黄色にゴールドのスパンコールを散りばめたロングドレスのアンサンブル♪
上着は、襟元からずっと白いファーで被われている。
わざわざ、この日の為に新調したものだ。
靴もゴールド♪
バックは白いファー♪
やはり、衣装もショーの一つと捉えていた私は、思いの外に気合いを入れた。
そして、颯爽とお店に向かった。
ところが他の女の子達は、いつもと変わり映えのしないファッション。
中には、普通のワンピースの子までいる始末だ。
私より年上なんだから、ちょっと考えればいいのに…
それとも、私がやりすぎたか?
そんな事が、頭をよぎる。
そこへオープンして直ぐに、最初のお客さんがママと一緒に現れた。
常連さんで顔見知りな事もあり、みんなフレンドリーな会話を始めた。
私は、顔は見た事あるけど、席に着くのは初めてだったから、遠慮がちにヘルプ席に着いていた。
すると、そのお客さんが、突然説教を始めてしまった。
「今日は、何の日だ。
端から、一人づつ言ってみろ!」
「えっ、クリスマスでしょ?
後なんかあったっけ?
もしかしたら、社長お誕生日だった?」
親近感もあってか、口々にそんな事を言っている。
そして最後に、私が聞かれた。
「クリスマスです。」
「そうだよな!
今日は、クリスマスだよな!
お前、名前はなんて言うんだ?」
「凪砂です。」
「この店で、今日はクリスマスのイベントだってわかって営業してんのは、凪砂だけだな。
客をバカにしてるにも、程がある。」
それまで和やかだったムードが、一変してしまった。
最初のコメントを投稿しよう!