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「客だって、クリスマスだから来てって、呼ばれて来てんだぞ!
それを、普段と全く変わり映えしないってなんなんだ!
客を、バカにしてるとしか思えないよ!
ナオミ、お前はNo.1のプライドもないのか!」
「イヤッ、No.1は私じゃなくて…
凪砂ちゃんだから…。」
「そう言う事を、聞いてるんじゃないよ!
自覚の問題だ。
こっちは、No.1にだって何だってなるさ!
自覚持って仕事してるんだからな!」
この場面で振られても、なんとも居心地が悪い。
雲行きが変わってしまったので、慌ててママが助け舟を出した。
「まぁまぁ社長♪
今日は、クリスマスなんだしさ。
そんなに怒んないの~。
社長は、私の事だけ見ててくれればいいの~。
後は空気♪空気♪」
これ以上ヒートアップしてはと思った社長も、
「まぁ…
他の客は、俺みたいに煩い事言わないんだろうけど…
でも、こう言う客も居るんだって事だけは、頭に入れておけよ。
お前らが思ってる以上に、お客は見てるぞ。」
その内、自分のお客さんが来て席を離れてしまったが、時間も早い事もあって、丁度カウンターにマスターも居合わせてしまった。
当然、閉店後はミーティングが始まった。
「あの社長が言ってるのは、ごもっともだよな!
今日のクリスマスで、自分の客何組来たが一人づつ言ってみろ。」
「そう言う意識の無さが、仕事にも出てるんだよ。
今日の社長みたいに、言ってくれる人は有り難いお客さんだよ。
普通だったら、黙って来なくなっちゃうよ。」
さすがにマスターも、目の当たりにして、この日のミーティングは長かった。
ママは一切、注意する事もなかった。
何故なら、自分にしか興味がないからだ。
とにかく、客の呼べない女の子は、自分のヘルプや引き立て役位にしか思ってない人だから。
この頃は、二人で注意しても逃げ場がなくなるから、なんて思っていたけどね(笑)
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