死神の花嫁2~螺旋の想い

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まず、我に返ったのは娘のマリィで、「どうしたの?何があったの?」 リマさんの目力がパワーアップした。 「あのボケ、明後日から社内旅行だって!」 「明後日から…?」マリィの瞳がまん丸に開かれる。 明後日―確か、マリィが休暇を取った日だよな。 「あんな大事な日を…!」 リマさんは絶句するなり、大粒の涙をボロボロとこぼし始めてしまい、みんなしてオロオロしているときに、電話が鳴った。 この着信音は…! はっ!と振り返った俺の目に、受話器をとる母さんの姿。 親父、頼む、下手な事言うんじゃないぞ~。 悲鳴にも似た息子の祈りを、聞き届けたまえー! 「あら、あなた。こんな時間にどうしたの?」 にこやかな雰囲気が、徐々に重くなり始めた。 「…そう。接待もお仕事の一つですものね。じゃあ、お夕食は…そう」 母の背中に炎が立ち上った。 「食べてらっしゃるのね。わかりました」 最後に一言。 「しばらく、朝も昼も夜もどこかで食べてらっしゃることね」 静かに下ろされる受話器。 親父は見事に地雷を踏んだようです。 そこへ俺の携帯の着信音。母はポケットから携帯を取り出し、画面を確認すると鼻で笑って俺にホイと投げて寄越した。 着信者名『親父』 文面『母さん、何か怒ってる?』 地雷を踏んだ上に、体中にダイナマイトを巻きつけてしまったな。 俺は、解答をメールで伝える。 『本日、結婚記念日』
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