死神の花嫁2~螺旋の想い

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去年のこの日、見事に忘れて飲み会へ行った親父は夜中に帰宅。 ドアチェーンを外してもらえず、挙句にその後一週間、俺も巻き込み、乾パンと牛乳しか食卓に上らない生活を強いられたのだ。 振り返った母さんは、マリィの母へ微笑みかけながら。 「リマさん、大事な日を忘れるご主人なんか放っておいて、今日はうちに泊まって行かれません?ね?いえ、今日だけじゃなくて」 母の微笑みが更にキラキラと輝き。 「しばらく滞在、ということでいかが?」 リマさんは、涙をこぼしながらも。 「それじゃ、迷惑を…」「いいえ!」 母はリマさんの手を取り、握り締めた。 「あなたの気持ち、よく解ります!二人で強くなりましょう!」 「…二人で強く!」 握り返す、リマさん。 ここに種別を超えた黄金ペア、完成。 「…さてと」その姿に背を向けようとしたガザの服の裾を、しっかりと握る手、有り。 「……放せ、啓」 「お前だけ逃げるな」 無言で見詰め合ってしまう、俺達。 マリィがいるところなら、どんな無茶しても居ようとするガザが逃げるくらいだ、リマさん、ハードなんだろうな…。 前田 啓 十七歳。 何故、こんなに色々色々試練が…。
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