魅せられる

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友彦とたこ焼きを食べながらも,あの絵の事ばかり考えていた… 「どうして,あんな絵が描けるんだ…?」 すると友彦が,ソースの付いた口を手で拭きながら,言った。 「本人に聞いてみれば?どうせ,隣のクラスなんだし」 「ああ…けど,いきなり聞くのはなぁ~なんか,きっかけがほしい…」 俺は,ジュースを少し飲んだ。 そして,はぁと息を吐き出す。 「なら,亘も美術部,入ったら?」 友彦が空になった,たこ焼きの入っていたパックをゴミ箱に向けて投げながら言う。 「うん,そうしてみる…」 実際,俺は絵が好きなわけじゃない…この日だって,文化祭で暇だったから美術部の展示会を,たまたま見に行ってみただけだ。 けど,あの絵からは絵に興味のない俺でさえ,衝撃をうけた。
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