終章

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今度は本当に生と決別してしまったようだ。   今は願った形になった… 世界に未練も、執着も、失って困る物も、何も無かった… 何も持っていなかった… ……はずだったのだが…   あの世界は何だったのか? 今まで生きていた世界では得た事の無い心の充実感は何だったのか? 死ぬ前に感じた感情…忌の時に何故自分は助けを求めたのか?   自ら命を棄てた時には得られなかったこの気持ち… これを心境の変化と言うのだろうか… 好奇心… 恐怖心… 喜び… 驚き… 他にもたくさんの感情を経験したいと…今更思う。   しかし…もう遅い。   自分は、本当に死を迎えたのだ…   軽々しく命を棄てた自分に対する罰であろうか…
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