回想と救い

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  「道也だって、甘えて欲しいと思うけど?」 「…道也の我が意を得たりって満足そうな顔がむかつくの」 …。 好きな彼女が甘えてきて、嫌な男がいるんだろうか?…つーか、梓の発言酷くないか? 照れ隠しなのはわかるけど、普通に聞いたらとんでもない彼女だよな。 …まぁ、道也も基本的には俺よりS。 隠すの上手いから、あんまりわかんないけど。 「梓ってセックスん時しか素直じゃなさそう」 「…宿世君、発言エロいよ」 梓が俺を睨んでいる。 …顔が赤くなっているから、図星ってとこかな。 「…道也だって不安だと思う。ちゃんと態度で示してやってよ」 「…月華って本当に偉大。宿世君が、こんなに人の気持ちを考えるなんて」 失礼な…。 ちゃんと考えてはいた。 ただ、月華と一緒にいてわかったんだ。 言葉にしないと伝わらない事が、たくさんあるって事。 月華が気持ちを全て…素直に言葉にして、態度で示してくれるから。 俺は安心して月華を捕まえていられる。 …離れようとしたって、絶対離すつもりなんてないけど。 だから…、道也にも梓の気持ちをきちんと言葉にして伝えてやって欲しい。 道也は確かに人の気持ちを読むのが上手いけど、実際に言ってもらった方が嬉しいに決まってるんだから。 *
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