日常

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  天井を仰いでため息をつく。 「相変わらず人気ものだなぁ…」 その声に道也の方を向くと、男らしい精悍な顔を崩しさわやかに笑っていた。 道也は180センチを越す身長にきりっとした顔立ち。 そのくせ笑うと少し幼く、とても明るい印象になる。 「そんなんじゃねぇよ」 俺はそう呟いてから思う。 お前のが人気者じゃねぇか。と。 思うだけで口には出さないが。 道也が女にもてるのはもう既に本人の知る所だし、嫉妬している訳でもないが、こいつが調子に乗ると少しイラッとするからだ。 …俺もなかなか心が狭いかもな。 「なぁ、ちょっと小耳に挟んだんだけどな」 道也が楽しそうな声で俺に顔を近付け耳打ちをしてきた。 「何?」 思いの外小さな声に、顔を近付けるとまた図書館中に黄色い声が沸き起こる。 お陰で必要以上に道也に顔を寄せないと声が聞こえない。 「転校生が来るらしいぞ」 「今頃?」 「何かめちゃくちゃ強いって話だった」 道也のやたら楽しそうな声が耳に響いた。 *
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