回想と救い

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  「でも、喧嘩した時とか行く場所ないと困らない?」 叔母さんは口元に指を置き、首をかしげた。 …年を考えて欲しい。と思ったが、後の事を考えて、口には出さなかった。 「うち部屋沢山あるから大丈夫じゃない?」 基本的に俺は自分の部屋とリビング、キッチン、風呂など必要最低限の空間しか使っていない。 あいている部屋の1つを月華に好きに使っていいとあてがったけど、月華は大体俺といるからほとんど荷物置き場としてしか使っていなかった。 それに…喧嘩なんか多分しないし。 「そういう問題じゃないでしょ。あんた喧嘩したら月華ちゃんは1人で考える事も出来ないじゃない。人間別れだって来るのよ!」 …叔母さんは離婚経験があり、相手は気難しいうちの大学の教授だった。 随分苦労した…という話を昔聞かされた覚えがある。 「経験者は語るだね」 そう言うと 「うるさい!」 叔母さんは俺を睨んできた。 *
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