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「道也が本気で相談してきたら、その時考えようと思ってるよ」
俺は今日の昼休みの道也の顔を思い出した。
「本気で相談?」
月華は不思議そうに微かに首をかしげた。
「一応、財閥の跡取りですから。何とか力になれれば…って考えてはいるけど。こればっかりは道也の決意が必要だと思わない?」
梓と一緒にずっといる決意と、家族を…捨てる決意。
梓の親父さん、何回かパーティーなんかで挨拶しているけど、やり手と評判で目的遂行の為には何をするか分からないとこがあるからな。
「…そうだね」
多分…道也もそれはわかっている。
「あいつも色々抱えてて、皆大事で大変なんだ」
道也にとっては、家族は本当に大切なもので。
家族を心から愛しているし、両親や弟妹からも愛されている。
「そっか。…そうやって素直に言ってあげればいいのに」
「イヤだよ、図に乗るじゃんか」
「泣いて喜ぶと思うけど?」
俺に心配されている事を知った道也の…にやけた顔が想像出来た。
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